図書室から始まる彼女の初恋
やがて、
クスクス笑い始める梨香さん。
「可愛くなりたい?」
「私なんかが、可愛くなりたいと思っていいのかな…」
生意気だよね…
こんな容姿の奴、
可愛くなんてなれる分けない…
私っていつもネガティブ…
でも本当のことだし。
「ねえ、桃奈。
まずその目にかかってる前髪が邪魔なんじゃない?
切るなり、ピンで留めるなりしようよ?」
確かに私の前髪は重苦しい。
気が付けば梨香さんが私の後ろに立っていた。
「動かないでね。」
…え?え?
急に前髪を掴まれる。
そして2分後。
「…可愛い。可愛いよ、桃奈!
これで見てみて?」
梨香さんは
胸ポケットから
小さな鏡を私に差し出す。
うう…
なるべく鏡で自分の顔は見たくないのに…
私は鏡を覗き込んだ。