図書室から始まる彼女の初恋
【諦め始める私】
次の日は、
手や足に包帯やガーゼ、
腰にはシップを当てて燐を待つ。
お母さんに、
何があったかと聞かれたが、
自転車で派手に転んだというと、
すんなりと納得してくれた。
―――――――ピンポーン
「燐、おはよう。」
「おっはよ~ん、桃奈♪」
予想通り、
燐はいつも通りに戻っている。
「保険書持ってきた??」
「うんっ、大丈夫。」
昨日の夜、
燐から電話があり
『明日一緒に病院行くよ!
だから保険書持ってきてねーん☆』
と電話があった。
燐には、
どうお礼を言って良いか分からない。
「燐、それとね、私もうあの小屋には行けない。
啓達からも離れるね。」
「うん、分かった!」
私は一瞬燐が暗い顔をしたところを、見逃さなかった。
燐は何があっても、
私を見捨てないと思う。
こんな言い方良くないけど、
私はきっと燐に甘えてる。