図書室から始まる彼女の初恋


「その傷…どうした?」

「何かあった?
今日、一緒に来れなかったらしいし…」

登校するなり、
燐以外の三人に囲まれ、
質問攻めに合う。

ただ…啓だけは
何も聞いてこない。

私の傷をジッと見つめるだけだ。

何か言ってほしい気持ちと、
ソッとしておいてほしい気持ちが交差する。

「大丈夫。何もないよ。
じゃーね。」

私は精一杯、
冷たくし、教室へ向かう。
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