図書室から始まる彼女の初恋
前髪は上に上げられ、
ピン二本でペケポンに留められていた。
「………」
「ねっ?凄くない?
アレンジ一つでこんなに印象変わるんだよ♪」
言葉が出ない。
これだけで、
明るくなったような気がする。
「…下さい。教えて下さい!」
私は夢中になって頼んだ。
キラキラした世界に、
私も頑張れば踏み入れられるのかもしれない。
「簡単だよ?
前髪ねじって上でピンで留めるだけ。
そうだっ!明日ヘアアレが載ってる雑誌持ってきてあげるよ♪」
「…はい!」
「自分が可愛くないって決め付けてるけどさ、
私は十分可愛いと思うよ。
髪の毛サラサラだし、肌の色は白くて、お人形さんみたいだよ。」
お…お人形。
顔が赤くなったのを感じる。
「…あ…ありがとうございますっ…」