図書室から始まる彼女の初恋
「…っ…っ…」
私はトイレの個室にこもって、
泣いていた。
もう良いんだ。
啓には過去に何かがあるみたいだし、
恋したって叶わない。
時間の無駄。
始めの強気の私が嘘みたいに、
私は落ち込んだ。
それに…燐は可愛そうだ。
私に気を使って、
心配して、ニコニコして。
それを見ているのも私は限界だし、
燐もいずれか限界に達するだろう。
私が誰かを好きになって、
誰かを傷つけるなら、
私は身を引く。
…もう、
今日は保健室へ行って、
理由をつけて帰らしてもらおう。
うん、そうしよう。
勉強も家ですれば良い。
可愛くなった方が辛いなら、
もう前のままで良い。