君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 疲れた・・・ 」
缶ジュースを飲み干して
空になった缶を強く握る。
へこんだ缶を見て小さく
お母さんが吹き出した。
「 今日は泊まるわよね? 」
「 んー 」
「 それだけ疲れたんじゃ
帰りの電車も辛いし、
久々に帰って来なさいよ 」
もちろん最初からそうさせる
つもりだったんだろうけど・・
お泊りの用意をしてきた自分は
お母さんのことをよく分かってるなと
小さく笑った。
遊園地なんて久しぶりで
ベンチに座って目の前を
通り過ぎていく人たちを
呆然と見ていた。
「 ごみ、捨ててくるから 」
「 うん 」
仲良さそうに手を繋ぐカップルが
私の前を通り過ぎた。