君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 ああ、そうだ 」
久しぶりに帰った家に
ただいま、と言って
お母さんの居るリビングに入る。
私の顔を見て思い出したように
カレンダーを指差して
「 28日、お墓参りね 」
「 ・・・・?・・・そう 」
「 前もって言えって言ったの
繭じゃない 」
スケジュール帳にメモする
私に”冷たい娘”と言って
お母さんは夕飯の支度をしだした。
出て行く前と何も変わってない。
懐かしいな、って夕飯ができるまで
家の中を歩き回っていた。
「 ・・・・汚い部屋 」
自分の部屋が一番懐かしくて、
だけどほとんど引越しのときに
持って行ったせいで物は少ない。
ダンボールに入らなかった小物を
適当に出して行ったせいで
散らかっているし、
本当に、何も変わってない・・・