君がここに居たこと~初恋の奇跡~
────────ヴヴ..ヴヴヴ..
ドアを閉めてゆっくり座って、
汚い部屋に苦笑しながら
携帯を耳にあてた。
「 ・・・もしもし? 」
『 繭? 』
「 うん・・・ 」
あきは、この部屋に来たのかな。
お母さんには会ったのかな。
そのときのことも、
・・・いつか、思い出せるかな。
『 元気ない?何かあった? 』
「 ううん・・・遊園地行ってたから
少し疲れてたの 」
『 遊園地?懐かしいね 』
楽しかったよ、と色々話したあと
ふと、あの時のことを思い出した。