君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 ・・・・・あのね 」
『 うん? 』
「 あきが、見えたの 」
疲れて座る私の顔を
心配そうに覗き込んで
冷たいジュースをそっと
私の差し出してくれたよ。
あれはきっとあきだった、と
言い終わる頃には眉を寄せていて。
『 ・・・繭、泣きそう? 』
震える声で気付いたのか
あきの心配そうな声が返ってきた。
「 ──────────う、ん・・・ 」
切ないよ、あき。
もう何度だって会ってるのに
いつだって掴んだら消えてしまうから。