君がここに居たこと~初恋の奇跡~




地面を弾く雨の音で
あきの声がよく聞こえなくて、




『 あきと私、笑ってたよ 』


「 ・・・・・・・え? 」




消えてしまいそうなか細い声に
違和感はなかった。




驚いているんだろうなと思って
クローゼットの箱の中から
出てきたことを言えば、
あきは笑っていた。




『 写真はアルバムに入れるでしょ 』


「 うん、でも何でかアルバムが
  なくてね?
  箱から出てきたの 」




変だよね、と笑いながら言えば
あきも笑っていて、









「 ───────────あきと居ると楽しい 」




自然と、そう呟いていた。




< 127 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop