君がここに居たこと~初恋の奇跡~
地面を弾く雨の音で
あきの声がよく聞こえなくて、
『 あきと私、笑ってたよ 』
「 ・・・・・・・え? 」
消えてしまいそうなか細い声に
違和感はなかった。
驚いているんだろうなと思って
クローゼットの箱の中から
出てきたことを言えば、
あきは笑っていた。
『 写真はアルバムに入れるでしょ 』
「 うん、でも何でかアルバムが
なくてね?
箱から出てきたの 」
変だよね、と笑いながら言えば
あきも笑っていて、
「 ───────────あきと居ると楽しい 」
自然と、そう呟いていた。