君がここに居たこと~初恋の奇跡~
悪夢でしかないのに
それは最悪でしかないのに
吐き気だってするのに。
「 こんな夢でしか・・・
あきに会えないの・・・? 」
きっと色々限界だった。
この2ヶ月間。
何度”死んでしまう”と思って
天井に手を伸ばしていたか分からない。
あきが逝ってしまう、と
涙を流しながら伸ばした手は
いつだって何も掴めずに
空しく宙を仰ぐだけだった。
『 繭・・・ 』
「 だって、あき・・・ 」
もう何度声を聞いただろう。
何度あきに助けられて
何度あきを好きだと思ったのか、
もう数え切れないほどの思い出を
あきと作ってきたはずなのに、
それは”物”じゃなくて
いつだって”記憶”で。
確かなものがほしい。
だけど、指輪がある。
問いかけに対しての答えは
もう自分の中にあった。