君がここに居たこと~初恋の奇跡~




聞こえないようなか細い声で
たまに切ない顔をして




「 あきは、何を伝えようとしてるの? 」




こんな夢の話を
これからも毎日するんだろうか。




目を覚ますたびに息の仕方を
教わって、そのたびに私はあきに
救われて、




そんなあきに毎日、毎日問うんだろうか。




”何を言っているの”と。




『 ・・・・繭 』


「 ・・・・ 」


『 効くかどうかは分からないけど
 おまじない、しようか 』




それは、曖昧でもなんでもない
あきらしい答えだった。
はぐらかされたとムッと
しながらも、いつの間にか
落ち着いていた呼吸と意識に
私はあきの言うことに頷いた。




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