君がここに居たこと~初恋の奇跡~




相当声を押し殺して笑っていたのか
あきは少し苦しそうにしていて
きっとお腹抱えて笑ってるんだろうな、
と想像して少しムッとした。




「 ・・・笑いすぎだよ 」


『 っ・・・だって・・・ 』


「 ・・・もう・・・切る! 」


『 だめ、切らないで 』




仕事の後のあきとの電話は
なんというか、”癒し”。




この楽しそうな声も
いつもの落ち着いた声も、
たまに甘くなる声も、
全部全部頭に響いて




寝る寸前まで子守唄みたいに
響く優しい声は、自然と
私自身を落ち着かせてくれる。




「 ・・・・ 」


『 ごめんね、繭 』


「 ・・・もう 」



緩む頬を押さえながら
だけど少し拗ねた声を出せば
再度”ごめんね”と謝られて
声には出さないけど首を横に振った。




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