君がここに居たこと~初恋の奇跡~
12月24日
「 あき・・・ 」
街を飾る綺麗な電飾は
クリスマス仕様で色鮮やかだった。
約束の時間は9時。
そして、今はその15分前。
『 繭、見てる? 』
「 うん、見てるよ 」
『 綺麗だね 』
随分早く待ち合わせ場所に
着いてしまった私は、
その場から動くこともしないで
ただじっとあきを待っていた。
けど、あきからの電話で
”俺もそっちに行くから”と
明るいところに居て、と言われて
足を運んだのがここだった。
「 ほんとに綺麗・・・ 」
『 ・・・ねぇ、繭 』
「 ん? 」
『 前は繭がここに来たいって
クリスマス当日に俺に言ったんだよ 』
子どもみたいにはしゃぐ私は
そうなの?と首を傾げて
だけどもうすぐあきに会えるなら
そのときに聞きたいとあきに言った。