君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 どうしてそんなに泣くの? 」
「 だって・・・だって・・・! 」
”やっと会えたんだよ”と
私が言うと、手を一層強く握られて
「 ・・・泣くほど、嬉しい? 」
「 うんっ 」
「 そっか、繭は可愛いね 」
緩く巻いた髪を撫でられて
ついでに涙も拭われて、
それからは胸がいっぱいで
手を引かれるままについていって、
気付けば、”あの場所”に居た。
「 ・・・・繭? 」
私の家から近い駅だったけど
だけど、どうしてどこにも行かないで
戻ってきてるんだろう。
それに、ここは。
「 ”ここが怖い?” 」
「 ・・・・・え? 」
前に、通るのが怖くて
何でか怖くて、泣き崩れたところだ。