君がここに居たこと~初恋の奇跡~
静かで、暗い。
少し急な坂をゆっくり
上って行くと、パッと
目の前が明るくなった。
「 ・・・公園? 」
「 そう、まだ入り口だけど
展望台に行こうか 」
向こうにあるから、と
再度手を引っ張られる。
────────────”変”だ。
「 あき? 」
「 ・・・うん? 」
「 どうしたの? 」
「 ・・・どうした、って? 」
電話の向こうの楽しそうなあきは
きっと笑えていたはずなのに、
「 あき、笑えてないよ 」
あきは今、悲しそうに見える。