君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 ねぇ、どこにいるの? 」
もう何度目になるんだろう。
同じことばかり彼に聞いている。
ベッドに寝転んで欠伸を零しながら
受話器の向こうで笑う彼の返事を
待っていた。
『 遠い所だよ 』
はぁ、と大きく溜息を零して
何度か寝返りをうった。
4月1日の11時過ぎ
今日も彼は居場所を教えてくれない。
「 あき 」
『 ん? 』
「 私たち、付き合って
どれくらい経つの? 」
『 4年と3ヶ月ちょっとかな? 』
へぇ、4年も付き合ってるんだ。と
彼女の私は記念日もうろ覚え。