君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 遅くなってごめんね、あき 」
薄暗い夕方に、あきが眠る
その場所へ足を運んだ。
「 誕生日おめでとう 」
両手じゃ抱えきれないほどの
キャンドルに火を点けて行く。
不謹慎だ、と言われるだろう。
「 どうしても渡したかったの。
・・・・・これなら、届くかな? 」
あき、寂しくないかな。
私を見守っていてくれてる?
あき、あき。
私はこの4ヶ月でたくさん
話を聞けたんだよ。
あきが私の知らないところで
挨拶に行ってくれていたことも、
あきがご両親に”幸せだよ”と
惚気ていたことも。
私の知らない場所でも、
あきは私でいっぱいで、
聞くたびに泣いて、大変だった。