君がここに居たこと~初恋の奇跡~
『 ・・・・よく眠れた? 』
「 ・・・・うん、おかげ様で 」
コップを机において、
ソファに深く体を沈めた。
あきの声を聞いていると
また眠れそうだ、と
頬を緩めれば、受話器越しに
あきの笑い声が聞こえた。
『 あけましておめでとう、繭 』
「 ・・・・・え? 」
テレビ、見てたのに
全然気付かなかった。
『 ははっ・・・一番大事なところ
見逃しちゃったね 』
テレビの中に映る神社に集まった
人たちは酔っているのか
やけに盛り上がっていて
「 年、越しちゃったね 」
苦笑しながら、私も少し遅れて
”あけましておめでとう”と
あきに言った。