君がここに居たこと~初恋の奇跡~
今、一瞬、
頭の中を過ぎった風景は
”ここ”だった。
「 ・・・二人で書いて、あきが
掛けてくれたんだよね 」
『 ・・・繭? 』
「 一緒に掛けておけば、
叶う確立もあがるかもねって
私が言って・・・ 」
そして、一緒に掛けて。
『 繭? 』
「 ・・・私、今・・・あきが見えたよ 」
私の中にあきが居た。
覚えてる。
私と同じ、黒い髪のあき。
「 あきは今も、髪黒いの? 」
『 ・・・・・・っ、・・・うん 』
息を飲む音が聞こえて、
震えるあきの声に首を傾げながら
私はさっき書いた絵馬と、
二つの絵馬を一緒に元の場所に掛けた。