君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 はい、お疲れ 」
「 本当に疲れましたよ 」
「 そういう顔してるもんね 」
帰る頃には11時を過ぎていて
イスに深くもたれかかった
私に、吉田さんが温かいお茶をくれた。
私より少し年上な吉田さんには
優しい旦那さんが居るそうで
たまにノロケを零す吉田さんから
私はよく逃げていた。
「 彼氏できたでしょ 」
今日も聞かされるのかな、と
お茶を飲んでいると、
楽しそうに頬を緩めた吉田さんが
私の髪に触れて、
「 最近、すごく幸せそうだよね 」
よかったね、と頭を撫でられた。