君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 ・・・そうですかね 」
「 そうよ、今日も彼でしょ? 」
「 ああ、まぁ・・・そうなんですけど 」
会ったことはあるけど
覚えてない、なんて
言えるわけもなくて
よく分からない人なんですよ、と
少し暈して言えば、
「 そっちの方がいいんじゃない? 」
「 ・・・え? 」
思ったよりも少し違う反応に
どうしてですか、と首を傾げた。
「 だって、付き合ってる内に
その人のこと知っていく方が
断然楽しいじゃない? 」
にこっ、と笑った吉田さんは
別に悪いことじゃないと言って
再度私の頭を撫でると
「 じゃあ、お疲れ~ 」
「 お疲れ様です 」
さっさと会社を出て行ってしまった。