君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 あき 」
『 ん? 』
「 ・・・どこにいるの? 」
プレゼント、渡したいよ。
ラッピングされたプレゼントに
そっと触れながらもう何度目に
なるのかそう聞けば、
『 ・・・遠いところだよ 』
からかうような曖昧な答えに
いつもなら”もう”って
怒るけど、
今日は少し、気分がいいからか
そんな彼の悪戯っぽいところに
ふっ、と笑みが零れる。
「 遠いところってどこ? 」
『 ・・・ん~ 』
「 海? 」
冗談でそう聞けば、
あきは受話器の向こうで笑っていた。