君がここに居たこと~初恋の奇跡~
だけど、今日は特別な日。
少し遅れてしまったけど
もう少し早く仕事を終わらせて
2日におめでとう、を言いたかったけど。
「 ・・・・ちゃんと好きだよ、陽斗 」
言えなくて、少し悔しかったから
0時ぴったりに私の誕生日を
祝ってくれたあきに申し訳ないから、
だから、今は、
いつもより、素直になるよ。
『 ・・・・・っ・・・どうしたの? 』
「 だって、あきはいつも私に
ちゃんと言葉をくれるのに
私は何もあげられないから 」
あきが生まれてきた特別な日くらいは
ちゃんと素直になりたいの、と言えば
そっか、と掠れた声が聞こえて、
「 あき泣いてるの? 」
何度か聞こえた咳払いに
口元を緩めた。