君がここに居たこと~初恋の奇跡~
私は明日も仕事で、
それを気遣ってか
1時間ほどで電話を
切ることになった。
大丈夫だよ、と言う私に
まだ明日はあるから、と
なんだか説得をされて、
少しだけ拗ねてみせた。
おやすみ、と言いながら
もう少し話していたいから
電話は切らないでいたりして
抵抗をしていると
あきが小さく笑いを零して
じゃあ、俺が切るよ?と
苦笑交じりにそう言った。
「 ・・・私、切れないからいいよ 」
きっとずっとこのまま切れないで
朝になっちゃいそうだから、と
私はベッドに寝転がって
おやすみ、とそっと目を瞑った。
おやすみ、ってあきが言ってくれたら
きっと今すぐに寝れる。
そのくらい心地いいあきの声を
しばらく待っていた。