君がここに居たこと~初恋の奇跡~




変だなぁ、と
首を傾げながらも
コーヒーとお茶の入った
コップを両手に持って
ゆっくり戻った。




「 吉田さーん 」


「 はーい、ありがとう! 」


「 いいえ 」




疲れた、と肩を叩きながら
呟く吉田さんに私もです、と
笑いかけて、席に戻った。




パソコンの画面を睨めっこしながら
出るのは深い溜息ばかりで、
やる気はどこかに行ってしまった。




・・・・それでも、やらなきゃ帰れない。




内心溜息を吐きながらお茶を
喉に流し込んで、キーを叩く。




そんな毎日だった。
あきと出会う前も、出会った後も、
仕事の内容は何も変わってない。




それなのに、私の中できっと
”何か”が変わっていた。




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