君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 お先に失礼します 」
「 お疲れ~ 」
軽く頭を下げて会社を出ると
見慣れた、というか今朝見た
服装のおばさんが1人、
会社の入り口に立っていた。
「 ・・・何してるの 」
「 あら、お疲れ様 」
もうとっくに帰ったと思ってた、と
言えば苦笑交じりに冷たいのね、と
返ってきて、帰路につかず
一緒に夕食を食べることになった。
「 ああ、そっか 」
「 なに? 」
「 今日、命日だったね 」
「 あら、思い出した? 」
私が小学生の頃だから
もう10年以上前のことになるけど
そっか、そっか、と1人納得しながら
「 お墓、行かないの? 」
と、今更ながら聞いてみた。