君がここに居たこと~初恋の奇跡~




私が小学校に上がったのと
同じくらいの時期に発病して
だけどそれを私たちに隠して
ずっと1人で闘ってた。




闘病生活は楽しいものじゃないのに
お父さんは毎日笑って、
へらっとしてた。




「 ・・・夏の前 」


「 え? 」


「 梅雨が明けたら
  行こうかなーって 」


「 何で? 」




だって今日が命日なのに。と
首を傾げているとお母さんが
私の背中を押して、
ここにしよう、と居酒屋に入った。




「 え?・・・あれ? 」


「 今はまだ少し寒いから 」


「 どういう意味? 」


「 久々に遊園地でも行って
  その帰りにでも行こうと思って 」




案内された一番奥の席に座りながら
はぁ!?と大きすぎる声を出して
咄嗟に手で口元を覆った。




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