君がここに居たこと~初恋の奇跡~
気付いたら少ししんみりしていて
話題を変えようかとも思ったけど
目の前に広がる景色と、
耳元で囁く優しい声、
それから頭に焼きついていた
あきの笑顔に、そんなことは
どうでもよくなっていた。
『 ・・・・泣いてるの? 』
何で忘れちゃったんだろう、って
こんなに綺麗な景色を、
あんなに優しいあきを、
どうして、って自分に問いかけて
「 ・・・ッ・・・うん、・・・ 」
寂しくて、なんだかすごく
あきが恋しくなった。
『 ・・・会いたい? 』
「 うん・・・会いたいよ・・・ 」
歪む視界の中にいくら探しても
あきは居なくて、あの時と同じ
景色なのになって思うと
もっと泣けてきて、
会いたい、って何度も言った。