君がここに居たこと~初恋の奇跡~




電話で話すあきの声は
聞いていて心地いい。
声だけで優しさが伝わる。




こんなに話しやすい人はいない。




12月24日、あの日あきから
電話がなかったら
きっと私はあきのことを
忘れたままだった。




こんなに幸せな毎日を知らずに
通り過ぎてたなんて、勿体無い。




「 ・・・頑張らなきゃ 」




そう思えた。




小さくガッツポーズをして
よしっ、と私は会社に入った。




あきは、あきの、あきが、あきに。
思考は全てあきに奪われて、
だけどちゃんと仕事はして。




自分の机の上にあった卓上カレンダーの
12月24日に大きな丸をつけて、
やっぱり私は頬を緩めていた。




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