君がここに居たこと~初恋の奇跡~
「 疲れると人ってどうしても
ネガティブになっちゃうから 」
あんまり考え込まない方がいい、と
言われても、常に頭のどこかにいる
あきのことを考えないのは
無理に近い・・・というか、無理だった。
私よりいくつか年上の吉田さんは
恋愛経験も豊富で、そして大人で。
「 私、彼氏がいたんですよ 」
「 ?・・・・過去形? 」
「 ああ、・・・今も付き合ってます。
けど、付き合ったその時のことを
全然覚えてないんです 」
近くの居酒屋に入って
私はあきとの出会いと
今までのことを話した。
あきとの最初の電話、
それから思い出した記憶。
私の中に確実に居るのに
どうしても掴めない人のことを。