君がここに居たこと~初恋の奇跡~
滑稽だ、と笑われても
おかしくない。
夢や、記憶の中でしか
会えない彼のことを好きで
信じてしまう自分のことを
周りの人はどんな目で見るんだろう。
1つの不安はそれだった。
「 単純でいいんじゃない?
ただ好きな人のために生きる。って
彼もそうだと思うけど、単純で
いいことだと思うよ 」
「 ・・・・そう、ですか? 」
「 その約束を信じるってことは
彼自身を信用してるってことだろうし
毎日欠かさず連絡をくれて、
誰より先に異変に気付いてくれて、
遠い所にいるって言ってたけど
気持ちは誰よりも近くに在るんじゃない? 」
不安に思うことなんて何もないよ。と
吉田さんは再度箸を持った。
・・・・それは、あるかもしれない。
気持ちは誰よりも近くに。
そう感じることは少なくない。
話しているときは常にそう思う。
まるで隣にいるみたいだ、と。