君がここに居たこと~初恋の奇跡~
いつでも寝れるように
目を閉じて、だけど携帯は
耳に押し当てたまま話す。
寝たいな~って思いながら
だけど話したいな~って思う
自分にどっちだよ、と
1人でツッコミながら
小さく欠伸を零す。
『 繭、起きて 』
「 ~~もうっ 」
『 繭は酒飲めないから
2日酔いはないでしょ?
今日は夜、電話しないから
早く帰って早く寝て 』
ゆっくり体を起こしながら
たった一言で目が覚めた。
「 電話しないの? 」
目を擦りながら立ち上がって
濡れたタオルで顔を拭く。
『 ・・・・したい? 』
小さな笑い声の後のからかうような
声と言葉に、悔しく感じながらも
うん、と答えれば”そっか”って
やっぱりあきは笑っていた。