君がここに居たこと~初恋の奇跡~
出ろ、と言ったり
入れ、と言ったり。
朝から振り回されっ放しだな、と
苦笑しつつ、部屋に入った。
ドアを閉めてテーブルの上に
紙袋を置いて、中から小さな
箱を取り出す。
「 ・・・・ッ 」
リボンを解いて、箱を開けて
やっぱり私はまた泣いていた。
『 不安はなくなった? 』
「 ・・・・・ッ 」
声にならなくて、何度も頷きながら
そっと指輪を手に取る。
”Amour d’eternite”
刻印されたその文字の意味を
聞こうとしたけど、
やっぱり声にならなかった。