君がここに居たこと~初恋の奇跡~
『 ────────”無限の愛” 』
シンプルなデザインの指輪でも
今の私にとってそれがどれだけ
大きなものか計り知れない。
『 他の誰でもない、繭だから
俺はこうして居られる。
不安にならないで、繭。
それが、今できる俺の精一杯だけど 』
約束の印だよ、と
電話の向こうで笑うあきに
ありがと、と何度も何度も言って
『 左手の薬指じゃないとだめだよ 』
「 ・・・・う、ん 」
ピッタリなサイズの指輪を
眺めているうちに時間が経って
気付けばいつも起きる7時を過ぎていた。