とある東中学校
今、前の黒板に立っているのは
社会担当教師、山岡先生。
通常、やましー。
バランスボールみたいな感じの
体つきをしている。
経験豊富で怒ると怖いという定評がある。
「ん。ほな、
書くぞー(ノートを)」
やましーはいきなり黒板に
字を書きはじめる。
そう、いつも。
『ノートの何ページに書け』とか
『教科書の何ページを
見ながら書け』とか
言わない。から、皆はいつも
『え?どのページに書くん?』
とか、思ってるんだろう。
横、前、後ろ と、キョロキョロしている子が
クラスの大半だ。
「え、どこやねん
ワカンネ…。」
俺はどのページに書けばいいのか
と、思いつつ、前、後ろ と、
ページをペラペラとめくる。
「やっぱし、わかんねぇよ…」