最初で最後の恋文
Ⅰ、新学期
短かった冬休みも終え、今日から新年を迎えたばかりの学校だというのに、教室の中はピリピリ感が広がっていた。
高校三年生になると、この時期はセンター試験前になるので張り詰める空気が漂う。
無理もないが、せっかく新年を迎えて久しぶりの友達に会えるというのに、子の空気は学校までの気持ちを一気に消沈させる。
教室に入ってきたばかりの宮崎真琴は、教室全体を見渡してため息をついた。
真琴は十一月に推薦入試を受けて見事に合格したので、今は無事に卒業を迎えるだけだった。
もし、推薦入試が落ちていた場合は同じ空気を漂わせていたに違いない。
そう思うと、またため息が出た。
「何、朝からため息ついてるのよ?」
真琴は声のほうに振り向くと、そこには中学からの親友の水瀬茜が胸の前で腕を組んで立っていた。
「おはよう。」
真琴は茜に挨拶をすると、教室にまた顔を戻し
「この空気の中に入っていくのが嫌で…。」
「確かに。センターが近いからって、やめてほしいよね。せっかくの新学期だっていうのに!」
茜はそう言って、ズカズカと教室に入っていった。
茜も十一月に専門学校に合格しているので、卒業を迎えるだけだった。
真琴が一年間過ごしてきた三年D組のほとんどの人がセンター試験を受ける。
余裕で卒業を待っている人は多分、このクラスでは十人もいないかもしれない。
高校三年生になると、この時期はセンター試験前になるので張り詰める空気が漂う。
無理もないが、せっかく新年を迎えて久しぶりの友達に会えるというのに、子の空気は学校までの気持ちを一気に消沈させる。
教室に入ってきたばかりの宮崎真琴は、教室全体を見渡してため息をついた。
真琴は十一月に推薦入試を受けて見事に合格したので、今は無事に卒業を迎えるだけだった。
もし、推薦入試が落ちていた場合は同じ空気を漂わせていたに違いない。
そう思うと、またため息が出た。
「何、朝からため息ついてるのよ?」
真琴は声のほうに振り向くと、そこには中学からの親友の水瀬茜が胸の前で腕を組んで立っていた。
「おはよう。」
真琴は茜に挨拶をすると、教室にまた顔を戻し
「この空気の中に入っていくのが嫌で…。」
「確かに。センターが近いからって、やめてほしいよね。せっかくの新学期だっていうのに!」
茜はそう言って、ズカズカと教室に入っていった。
茜も十一月に専門学校に合格しているので、卒業を迎えるだけだった。
真琴が一年間過ごしてきた三年D組のほとんどの人がセンター試験を受ける。
余裕で卒業を待っている人は多分、このクラスでは十人もいないかもしれない。