最初で最後の恋文
真琴は遥斗の寝ている姿に目を向けて、ポケットの中から携帯を取り出すと遥斗の寝顔に向かってシャッターを押した。
低い音と同時に携帯の画面は一瞬だけ遥斗の寝顔で止まると、また撮影の画面に戻った。
真琴は無意識のうちに遥斗の寝顔を携帯のカメラで隠し撮りをしていた。
携帯のシャッター音で気づいたのか、遥斗はゆっくり目を開けた。
真琴は急いで携帯をポケットに入れて、さっきまで見ていた写真に目を向けた。
「宮崎…?」
「あっ、起きた??」
わざとらしくしないように、いつものように話しかけているつもりが、少し声のトーンが高くなり、自分でも顔が固まっていることがわかる。
でも、遥斗は寝起きのせいか真琴の不自然さに気づかず、大きな欠伸をしていた。
真琴は静かに胸を撫で下ろして、いつもの調子を取り戻した。
「何で、自分の写真はないの?」
真琴は散らばった写真の中からあたし達の写真だけを抜き取り、遥斗に見せながら言った。
遥斗はチラッと写真を見た後、直ぐに何も書いていない黒板を見ながら言った。
「撮るのは好きだけど、撮られるのは嫌いだから。」
黒板を見つめた遥斗の横顔は、少し寂しそうに見えた。
低い音と同時に携帯の画面は一瞬だけ遥斗の寝顔で止まると、また撮影の画面に戻った。
真琴は無意識のうちに遥斗の寝顔を携帯のカメラで隠し撮りをしていた。
携帯のシャッター音で気づいたのか、遥斗はゆっくり目を開けた。
真琴は急いで携帯をポケットに入れて、さっきまで見ていた写真に目を向けた。
「宮崎…?」
「あっ、起きた??」
わざとらしくしないように、いつものように話しかけているつもりが、少し声のトーンが高くなり、自分でも顔が固まっていることがわかる。
でも、遥斗は寝起きのせいか真琴の不自然さに気づかず、大きな欠伸をしていた。
真琴は静かに胸を撫で下ろして、いつもの調子を取り戻した。
「何で、自分の写真はないの?」
真琴は散らばった写真の中からあたし達の写真だけを抜き取り、遥斗に見せながら言った。
遥斗はチラッと写真を見た後、直ぐに何も書いていない黒板を見ながら言った。
「撮るのは好きだけど、撮られるのは嫌いだから。」
黒板を見つめた遥斗の横顔は、少し寂しそうに見えた。