最初で最後の恋文
「それで、撮った本人はどこに行ったの?」
香里は生徒会室を見渡しながら言った。
「それが、俺たちがここに来たときにはいなかったんだよ。」
大輝が写真から顔を上げて香里に言った。
「この写真とカメラはこの机の上に置いてあったんだけどね。」
「まぁ、アイツのことだからそのうち帰ってくるだろう。」
「そうだよね。」
奈々子と竜也がそう言い、私たちはアルバム作りの仕上げに取り掛かった。
でも、遥斗は最後まで生徒会室に現れることはなかった。
そして、真琴たちは遥斗に会わないまま解散した。
また卒業式にねぇ。などと言い合いながら真琴たちは学校を後にした。
「結局、佐伯来なかったね。」
帰り道に茜が真琴に言った。
「…うん。」
「でも、卒業式には会えるでしょう。そのときに何で今日来なかったのか問いただそう!!」
茜は明るい声で真琴に言ったが、真琴からは俯いたまま返事が返ってこなかった。
「真琴?どうしたの??」
茜は不思議に思い、真琴を覗き込みながら聞いた。
「…昨日、佐伯君に振られたんだ。だから、…今日来なかったのかも…。」
真琴は消えそうな声で言うと、視界が滲んでいくのがわかった。
茜は真琴の言葉を聞くと、真琴の左手を両手で包み込み
「ごめん…。何て言っていいのかわかんないや…。」
と素直に自分の気持ちを言葉にした。
真琴が初めて人を好きになったから、中途半端な励ましはできないと茜はそう思い、真琴に返す言葉が見つからなかった。
「ありがとう…。」
真琴は自分の右手で涙を拭うと、茜に笑って言った。
茜も真琴に笑顔を見せた。
香里は生徒会室を見渡しながら言った。
「それが、俺たちがここに来たときにはいなかったんだよ。」
大輝が写真から顔を上げて香里に言った。
「この写真とカメラはこの机の上に置いてあったんだけどね。」
「まぁ、アイツのことだからそのうち帰ってくるだろう。」
「そうだよね。」
奈々子と竜也がそう言い、私たちはアルバム作りの仕上げに取り掛かった。
でも、遥斗は最後まで生徒会室に現れることはなかった。
そして、真琴たちは遥斗に会わないまま解散した。
また卒業式にねぇ。などと言い合いながら真琴たちは学校を後にした。
「結局、佐伯来なかったね。」
帰り道に茜が真琴に言った。
「…うん。」
「でも、卒業式には会えるでしょう。そのときに何で今日来なかったのか問いただそう!!」
茜は明るい声で真琴に言ったが、真琴からは俯いたまま返事が返ってこなかった。
「真琴?どうしたの??」
茜は不思議に思い、真琴を覗き込みながら聞いた。
「…昨日、佐伯君に振られたんだ。だから、…今日来なかったのかも…。」
真琴は消えそうな声で言うと、視界が滲んでいくのがわかった。
茜は真琴の言葉を聞くと、真琴の左手を両手で包み込み
「ごめん…。何て言っていいのかわかんないや…。」
と素直に自分の気持ちを言葉にした。
真琴が初めて人を好きになったから、中途半端な励ましはできないと茜はそう思い、真琴に返す言葉が見つからなかった。
「ありがとう…。」
真琴は自分の右手で涙を拭うと、茜に笑って言った。
茜も真琴に笑顔を見せた。