最初で最後の恋文
そう、その日は突然訪れた。
あとニ週間もすれば休みも終わり、卒業式になるという晴れた日の午後だった。
真琴は何もすることがなく、部屋でゴロゴロしていると携帯電話の着信音が鳴った。
画面を見てみると、茜からだった。

「もしもし、茜?」
 
真琴はきっと遊びのお誘いだと思って元気よく電話に出たが、電話の向こうで話してくる茜の言葉で一気に血の気が引いていった。

「…うそっ…。」
 
真琴は茜の言葉にそれしか言うことができなかった。
その後のことは全然憶えていない。
 
茜からの電話はクラスの連絡網だった。
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