最初で最後の恋文
「真琴!!早く!!」
 
茜の痺れを切らした声で我に戻ると、真琴は急いで五人のほうに駆け出した。
 
真琴の後ろには今つけたばかりの真琴の足跡が続いている。
明日にはきっとこの足跡も見えなくなるだろう。
でも、消えるわけではないことを私たちは知っている。
見えなくなっても、そこにいた証は消えることは絶対にないんだ。

「ごめん、ごめん。」
 
真琴は五人の傍まで行くと謝り、後ろにつけた自分の足跡を見た。
< 60 / 62 >

この作品をシェア

pagetop