最初で最後の恋文

Ⅱ、写真

初めて生徒会室に入った真琴は少しガッカリした。
いつも使っている教室と変わらないからだ。
黒板の近くに長机があり、他はどこのクラスにある机が並んでいるだけで別に変わったところはなかった。

「ガッカリしたでしょ?」

真琴の顔を見て、香里が言った。

「もっと特別に考えていたのよね、最初は。でも、他の教室と何も変わっていない。私も最初は入ってきたときガッカリした記憶があるわ。」

香里は真琴に微笑みながら言った。その後、香里に真琴は顔に出やすいタイプね。と言われた。

大輝の声とともにアルバム作りを開始し、誰が担任のところまでこの一年間の写真を取りに行くかをジャンケンで決めていた。
生徒会室から職員室までに行くにはグランドを回り、校舎一つ分を通らないといけないので、距離がある。
そのため、誰も行きたくなかった。
しかも、今は冬で外は寒い。
そこで、竜也がジャンケンで誰が行くかを決めようと提案した。
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