緑の君~白い影~Ⅱ
藤棚
学園に入ると異様な感覚が漂っていた。
五感の鋭いものなら直ぐわかるだろう…。
気配が消えては濃くなる。
もう夜も迫り、部活をしている生徒もいない。
誰もいない学園は静まり返っていた。
軽々と宙を舞い学園に入る。
屋上から辺りを見回した。
そのまま糸をたらしながら行きよいよく中庭に降り立つ。
はらはらと落ちる。薄紫の花びらが見えた。
「遅かったな…。アキラ。」
「やっぱりお前か…。」
金色の瞳を睨み付けた。
「それはこちらのセリフだな。」
妖気が漂っていた。
「人間には近づくな…。」
爪が延び戦闘体制に入る。
「そっちもな…。」
飛び上がり狙いを定めた瞬間。金色の目がほくそ笑む。
動きが一瞬止まった。
藤棚の中に囚われる白い肌が見えた。
怒りで牙が伸びる。
「貴様…。」
「スーリアには手を出すな。」
「蛟の一族がこんなことをしていいのか!」
「アキラそれは…。君の勝手な言い分だ。使えるものは使う。君は使える側だろう?」
金色の瞳はさゆりを撫でる。
「止めろ!」
飛び出した瞬間。
金色の瞳が輝き、藤蔓が襲いかかる。
爪で切り裂きながらかわしていく。
「スーリア…。巫女…。あの哀れなものを見てごらん…。」
藤蔓が爪を封じる。
「くっ!」
藤蔓が体を拘束していく。
「さゆりに何かしてみろ!八つ裂きにしてやる…。」
唸る蜘蛛を笑っていた…。
「獲物を取られて屈辱か?」
「人間には…。」
金色の瞳が輝く。
「こうしよう…。君がその拘束を取ろうとすれば、逆に巫女の拘束を強くしよう。」
クスクス…。
「さぁ、君はどちらを選ぶ?」
噛み締めた口から血の味がした。
もがけばさゆりの拘束が強くなる。
すでにはだけた袴に蔦がくい込み、巻き付いている。
首元に蔦が這っていく。
「くそっ…。」
元からこの藤には力が強い何があった…。
さゆりが手入れをしていた…。
五感の鋭いものなら直ぐわかるだろう…。
気配が消えては濃くなる。
もう夜も迫り、部活をしている生徒もいない。
誰もいない学園は静まり返っていた。
軽々と宙を舞い学園に入る。
屋上から辺りを見回した。
そのまま糸をたらしながら行きよいよく中庭に降り立つ。
はらはらと落ちる。薄紫の花びらが見えた。
「遅かったな…。アキラ。」
「やっぱりお前か…。」
金色の瞳を睨み付けた。
「それはこちらのセリフだな。」
妖気が漂っていた。
「人間には近づくな…。」
爪が延び戦闘体制に入る。
「そっちもな…。」
飛び上がり狙いを定めた瞬間。金色の目がほくそ笑む。
動きが一瞬止まった。
藤棚の中に囚われる白い肌が見えた。
怒りで牙が伸びる。
「貴様…。」
「スーリアには手を出すな。」
「蛟の一族がこんなことをしていいのか!」
「アキラそれは…。君の勝手な言い分だ。使えるものは使う。君は使える側だろう?」
金色の瞳はさゆりを撫でる。
「止めろ!」
飛び出した瞬間。
金色の瞳が輝き、藤蔓が襲いかかる。
爪で切り裂きながらかわしていく。
「スーリア…。巫女…。あの哀れなものを見てごらん…。」
藤蔓が爪を封じる。
「くっ!」
藤蔓が体を拘束していく。
「さゆりに何かしてみろ!八つ裂きにしてやる…。」
唸る蜘蛛を笑っていた…。
「獲物を取られて屈辱か?」
「人間には…。」
金色の瞳が輝く。
「こうしよう…。君がその拘束を取ろうとすれば、逆に巫女の拘束を強くしよう。」
クスクス…。
「さぁ、君はどちらを選ぶ?」
噛み締めた口から血の味がした。
もがけばさゆりの拘束が強くなる。
すでにはだけた袴に蔦がくい込み、巻き付いている。
首元に蔦が這っていく。
「くそっ…。」
元からこの藤には力が強い何があった…。
さゆりが手入れをしていた…。