緑の君~白い影~Ⅱ
赤い翼の妖かしが牙を剥く。
そんな時だったのに私は空を見上げた。大きな雲が消えていく。
見えたのは月…。あれは…。あれは…。
「どうして…。」
緑の君…。あれは…。
雄叫びのような声が神社に響いていた。
緑色に輝く長い髪。妖しく光綺麗なエメラルドの瞳…。あれは…。
でも…。月は三日月だった。上弦の月…。
我を失ったかのように赤い翼に飛び掛かる。
羽根が飛び散る。
爪と牙が交錯する。
羽根が刃のように襲いかかるも緑色の髪が数本ハラハラ落ちる。
「アキラ…。」
「レン君!」
肩を庇いながらよろよろと立ち上がる。
「スーリア…。血を…。」
驚いているとレンが手首を掴んだ。
「放し…。」
数珠が光を帯びる。
「君は僕が守る…。」
「?!」
抱きしめられていた。
光が小さくなると…。
「いつでも呼んでくれ…。」
瞬きするともう鳥居の上で剣を構えていた。
赤い翼の妖しに向かっていく。
心臓がまだどくどくと音がしていた。
緑の君…。
私は…。緑の君が好きなのに…。
輝く銀の糸が月でキラキラとしていた。
糸のトラップが発動し、赤い翼の妖しの動きを止める。
白い影が剣を提げ降り下ろされる。
翼が片方落ちる。
どさりと嫌な音が響いた。
鳥が消えていく。
私を見ていた。
しっかりと…。
そして、笑っていた。
恐怖に悪寒が走る。
「これで終わったと思うな…。人間…。」
白い影が立ちはだかるも赤い翼の妖しは笑っていた。
笑って…。完全に消えてしまった。
「逃げたか…。」
レンが刃を構えた先は…。
「アキラー!」
緑の君に変わる。
白い影と緑の輝きが神社に影を落とす。
藤の華ビラが風に舞い上がる。
そんな時だったのに私は空を見上げた。大きな雲が消えていく。
見えたのは月…。あれは…。あれは…。
「どうして…。」
緑の君…。あれは…。
雄叫びのような声が神社に響いていた。
緑色に輝く長い髪。妖しく光綺麗なエメラルドの瞳…。あれは…。
でも…。月は三日月だった。上弦の月…。
我を失ったかのように赤い翼に飛び掛かる。
羽根が飛び散る。
爪と牙が交錯する。
羽根が刃のように襲いかかるも緑色の髪が数本ハラハラ落ちる。
「アキラ…。」
「レン君!」
肩を庇いながらよろよろと立ち上がる。
「スーリア…。血を…。」
驚いているとレンが手首を掴んだ。
「放し…。」
数珠が光を帯びる。
「君は僕が守る…。」
「?!」
抱きしめられていた。
光が小さくなると…。
「いつでも呼んでくれ…。」
瞬きするともう鳥居の上で剣を構えていた。
赤い翼の妖しに向かっていく。
心臓がまだどくどくと音がしていた。
緑の君…。
私は…。緑の君が好きなのに…。
輝く銀の糸が月でキラキラとしていた。
糸のトラップが発動し、赤い翼の妖しの動きを止める。
白い影が剣を提げ降り下ろされる。
翼が片方落ちる。
どさりと嫌な音が響いた。
鳥が消えていく。
私を見ていた。
しっかりと…。
そして、笑っていた。
恐怖に悪寒が走る。
「これで終わったと思うな…。人間…。」
白い影が立ちはだかるも赤い翼の妖しは笑っていた。
笑って…。完全に消えてしまった。
「逃げたか…。」
レンが刃を構えた先は…。
「アキラー!」
緑の君に変わる。
白い影と緑の輝きが神社に影を落とす。
藤の華ビラが風に舞い上がる。