緑の君~白い影~Ⅱ
アキラ…。
どうしていつも邪魔をする。
一族全てを背負いながら…。
昔も今も変わらない。
僕は…。君を殺すよ。
月の光が降り注ぐ。
アキラの力が回復していた。
それに…。
「巫女の血か…。」
まだスーリアは覚醒していない。力を無意識に使っている。
風に乗ってアキラの爪が跳んでくる。
それを受け流しながら、首を狙う。
輝く緑の髪が数本掠れた。
そのまま突っ込んできた刃を受け止める。
「僕の結界内だよ?」
緑花蜘蛛の幻惑は使えない。
「レン…。さゆりは渡せない。」
刃と爪が音をたてながら交じり合う。
「一族を捨ててかい?」
「それは…。」
一瞬の隙が肩を貫いた。
輝く体液が零れ落ちる。
「くっ…。」
カチリ…。
「終りだ…。」
これで楽になる。
「止めて!」
さゆりが叫んだ時空間が歪んだ。
さゆりだけに聴こえた警告の声…。
そして、藤の香り。
逃げて!あいつが来る!
「「さゆり!!」」
何もない空間から…。手が伸びる。
首に手が回され引きずり込まれていく…。
二人が手を伸ばしていたけれど…。
暗闇に飲み込まれた。
最後に見たのは藤の花びら…。
「くそっ!」
地面を叩くと藤の花びらと赤い羽根が舞う。
「スーリア…。」
倒したはずのものは本体ではなかった。
それに気づかなかった…。結界に侵入されようやく気付くなんて…。
「アキラ…。立てるか。」
「レン…。」
「君の力を貸して欲しい…。」
「それは休戦ということか?」
「そういうことにしておこう…。君の追跡の力が必要だ。僕はいままで彼女の力を借りていたからね…。」
緑の君が立ち上がる。
「藤の精か?」
肩を上げてそうだと答えるレン。
「さっき、さゆりに…。何かしただろ?」
小首を傾げる。
「左手に契約しただけだよ。巫女と契約した。召喚されれば…。」
「!」
目を細める。一方的に契約したのか。
どうしていつも邪魔をする。
一族全てを背負いながら…。
昔も今も変わらない。
僕は…。君を殺すよ。
月の光が降り注ぐ。
アキラの力が回復していた。
それに…。
「巫女の血か…。」
まだスーリアは覚醒していない。力を無意識に使っている。
風に乗ってアキラの爪が跳んでくる。
それを受け流しながら、首を狙う。
輝く緑の髪が数本掠れた。
そのまま突っ込んできた刃を受け止める。
「僕の結界内だよ?」
緑花蜘蛛の幻惑は使えない。
「レン…。さゆりは渡せない。」
刃と爪が音をたてながら交じり合う。
「一族を捨ててかい?」
「それは…。」
一瞬の隙が肩を貫いた。
輝く体液が零れ落ちる。
「くっ…。」
カチリ…。
「終りだ…。」
これで楽になる。
「止めて!」
さゆりが叫んだ時空間が歪んだ。
さゆりだけに聴こえた警告の声…。
そして、藤の香り。
逃げて!あいつが来る!
「「さゆり!!」」
何もない空間から…。手が伸びる。
首に手が回され引きずり込まれていく…。
二人が手を伸ばしていたけれど…。
暗闇に飲み込まれた。
最後に見たのは藤の花びら…。
「くそっ!」
地面を叩くと藤の花びらと赤い羽根が舞う。
「スーリア…。」
倒したはずのものは本体ではなかった。
それに気づかなかった…。結界に侵入されようやく気付くなんて…。
「アキラ…。立てるか。」
「レン…。」
「君の力を貸して欲しい…。」
「それは休戦ということか?」
「そういうことにしておこう…。君の追跡の力が必要だ。僕はいままで彼女の力を借りていたからね…。」
緑の君が立ち上がる。
「藤の精か?」
肩を上げてそうだと答えるレン。
「さっき、さゆりに…。何かしただろ?」
小首を傾げる。
「左手に契約しただけだよ。巫女と契約した。召喚されれば…。」
「!」
目を細める。一方的に契約したのか。