緑の君~白い影~Ⅱ
そう。私のお母さんはロリータ好き。
鬼…。じゃないお婆ちゃんがいない日は…。
もちろん内緒。





「さゆりもね…。はい!」




真っ白にピンクのフリフリエプロン…。
かなこは大食いだから沢山作らないと…。





唐揚げをとにかくあげ…。





パジャマパーティーは始まった。





花束がテーブルに飾られ…。
恋ばなへと発展…。いじられるのはもちろん私だった。





「何かきっかけあったでしょ!やっぱし一目惚れ?」





「一目惚れ?」





「そうだよねぇ。転校初日から目立ってたし。イケメンだし。黄色いせいえは緑の君に劣らず…。」





「そうだったけ?」





「無自覚…。」





「さゆりはこういうの鈍感だから…。」





「お母さん!何時からそこに!」





「お夜食よ。じゃあおやすみ。」





子豚のクッションに寄りかかって顔をつける。





「どしたの?」





「何でもないの…。」





「ケンカしたとか?」
いきなりツッコムかなこに驚く。
ほえほえしてるのに時々鋭いんだよね…。





「ケンカじゃないけど…。きっと私が寂しいだけだから。」




「ふーん…。」
立ち上がる、麦茶がなくなって取りに行こうとしたら…。





「ねぇ、百物語やらない?」





いきなり?!






「仕方ない。三人だから一人一話でいいか。」





「じゃあ私からね。夜な夜な…。声が聞こえた。娘は風の音だと思った。月明かりに現れた。声は…。」





「いゃぁー!」





台所で悲鳴が…。





慌てて行くとお母さんが立ちすくんでいた。





窓に何が…。






それは…。蛾と戦うあずきだった。





外に出てあずきをつかまえる。
「もう止めてよね…。」




かなことまりは笑っていた。
「さゆりビビりすぎだからぁ!」





「まだ始まったばっかりなのに…。」





話は続いて…。人喰い鳥に娘はさらわれた。





「さゆりはなんかないの?」




私は…。特にないけど。
思いついたのは夢の話…。





夢の話をしてみる。





「…。怖くないかな?」




「それって道祖神かな?」


「?」




「まぁ簡単に言うと地元の土地神。」
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