緑の君~白い影~Ⅱ
上弦の月…。
屋根の上で一人静かに見上げた。
彼女は下で寝息をたてる。
「狙いは俺か…。それとも…。」
さゆりにだけは危険にさらしたくない。
まさか嗅ぎ付けて来るとは思わなかった。
こんなところまで…。
一族の…。全てがついて回る。
「一緒にいられないのか?」
彼女は願った。一緒にと…。
だから…。誓った、君を守ると。
「君を守るから…。きっと。」
気配がする。
「来るなら容赦しない。」
神社に張り巡らした無数の糸が守りを固める。
「俺も臆病になったな…。」
苦笑しながら。彼女の元に舞い降りる。
そっと口づけ見下ろした。
無防備な姿は…。
顔が歪んでいた…。
「緑の君…。」
「!」
手を握りしめるも、寝息が聞こえた。
「おやすみ。さゆり…。」
窓から飛び降り。神社の林に消えていく。
屋根の上で一人静かに見上げた。
彼女は下で寝息をたてる。
「狙いは俺か…。それとも…。」
さゆりにだけは危険にさらしたくない。
まさか嗅ぎ付けて来るとは思わなかった。
こんなところまで…。
一族の…。全てがついて回る。
「一緒にいられないのか?」
彼女は願った。一緒にと…。
だから…。誓った、君を守ると。
「君を守るから…。きっと。」
気配がする。
「来るなら容赦しない。」
神社に張り巡らした無数の糸が守りを固める。
「俺も臆病になったな…。」
苦笑しながら。彼女の元に舞い降りる。
そっと口づけ見下ろした。
無防備な姿は…。
顔が歪んでいた…。
「緑の君…。」
「!」
手を握りしめるも、寝息が聞こえた。
「おやすみ。さゆり…。」
窓から飛び降り。神社の林に消えていく。