*魔界の王様と…*
一年間か…
情がうつるというか…そんな頼まれたら断れないもん。
「…わかった。一年だけね。」
「ありがとうございますっ」と泣き出しそうなダクトに微笑んでから、今に至るまでのことを思い出した。
ーー暗闇にいた理由ーー
それも意味わからないのよね…
学校が終わった帰り道に、ふいに学校の裏山…ここに行きたくなったんだ。
なにかがそうさせたって感じ。
たくさんの木の中に一本だけ何かを感じるものがあった。
その木に触れた瞬間、私は気を失ってたみたい。
そして暗闇からここー魔界と言われる場所に来てしまった。
厄介だ。なんなんだろう、あの木。
「あの木が、
この魔界の城へと繋がっています。」
心を読まれた。本当に悪魔なのか…!
「私は人の心を読めるのですよ。」
「今まではこんなこと、なかったけど」
「いつもは結界をはっています。予定では私がお迎えにあがることになっていたのですが…。」
「美咲様は不思議な力をお持ちなようですね」と微笑んでくるダクト。
うっそ。知らなかった。
なになにそれ。