とある真夏の物語【完】
『うん、リーンちゃん!』
私もつい嬉しくなった。
この世界にきて、はじめての同い年ぐらいの女の子と仲良くなれたのだ。
嬉しくないはずがない。
――――
しばらくすると、リーンとも大分仲良くなっていた。
『まなつちゃんは、髪の色が綺麗な黒ですね、それに真っ直ぐで羨ましいな』
私の髪をとかしながらそう言うリーン。
そう言うリーンの髪は、栗色のふわふわパーマ。
『なんで?リーンちゃんのほうがふわふわでかわいい』
『黒髪は、この国では珍しいんですよ?それに黒は、神聖な色なんです』
『はい、できましたよ?』リーンのその声にふと、鏡の中の私を見てみると、
『うわぁ…リーンちゃん…凄いね…』
思わず、見入ってしまった。
髪はアップにされ、うっすら化粧を施してみると、なんだか私じゃないみたい。
『まなつちゃん、すっごくかわいいですよ!』