とある真夏の物語【完】
『ばか、今までどこにいたんだよ!?シュカも心配してたんだぞ!』
リュウは、私の方に近づいてきて私の頭を軽く叩いた。
『ご、ゴメン、心配かけて…』
リュウにペコリと頭を下げると同時に、
『うわっ…』
後ろにいたカイに引き寄せられた。
『…まなつ、コイツは?』
少し不機嫌そうなカイの声。
リュウも眉間にしわを寄せてカイを見ている。
『あ、リュウ。こちらは、カイ、私が迷子になってたのを助けてくれたの』
『どーも』と、未だに私を抱きしめながらそう言うカイは、どことなくイライラした様子。
『カイ、こっちはリュウ。私の友達で、私が探してた人だよ』
『真夏のこと…助けてくれてありがとうございました、でも、もうオレがいるんで、あとは気にしないでください、行こうか真夏?』
にっこり、黒い笑みを浮かべ、私を引っ張るリュウにたらりと、冷や汗がでる私。